投資と投機・ギャンブルの違いについて


 去る8月、2ちゃんねる管理人の西村ひろゆき氏が「競馬をロマン以外でやる人は何かが弱い。」という文章を自身のブログで発表して、ちょっとした騒ぎになっていたことがありました。記事のタイトルで「何かが弱い」と書いて、本文で「頭が弱い」と露骨に競馬ファンを煽っているのですから反響があるのは当たり前で、たくさんの方々が反論や同意コメントを書いているのですが、それに対する本人からのレスはなかったようです。意図が何だったのかよくわかりませんが、思いついたので書いてみた程度だったのではないでしょうか。軽率な発言だったと思います。まあ、ロマン等お金以外の面が100%ないと言える状況で競馬をやっている人は少数だと思いますが。

反論は元祖社長日記のコメント欄でも目立っていらっしゃったairon氏のブログでの記事を紹介しておきましょう。私としては、平均で儲からないこととお金儲けのみを目的とする個人が参加する意味が全くないということを統計という言葉でイコールに結ぼうとしたところに無理があると思いました。ただ、西村氏の気持ちを鑑みると、単純に「マイナスサムの土俵でやってお金儲けができるわけがないんじゃないの?(競馬でお金儲けしようと考える奴は馬鹿だよねぇ?)」という、至極一般的な問いかけをしたかったのだとも思えるわけで、それは一般的には「そりゃあ、お金儲けできるわけないよ」というところに落ち着くか、「儲けられる可能性があったとしても、それはインサイダー情報を握っている人間などであり、一般市民はその壁を超えられないさ」と感じられているように感じます。ネット競馬界の巨人である馬耳東風さんのBlog馬券日記オケラセラでこの話題について、「胴元がテラ銭を取るんだから、平均値で行けば金を損していくだけ。まあ、当然と言えば当然すぎる記事に、何が言いたいのか、私など却ってポカーン(・o・)とさせられたものです」と書かれているのを見ても、これが世の中の常識なのだと思いました。

 私は一昨年の秋に「至極一般的に言われている「競馬は儲からない」のウソ」という文章を書いているとおり(まだ見ていない方はご覧ください)、現状設定程度の控除率及び平均の回収率などは予想レベルの向上次第で超越でき、「うまくやれば競馬は儲かる」と言わせていただいている立場です。元祖社長日記のコメント欄で元スロプロの方が書いていたように、競馬には技術介入余地があります。私の言葉で言えば「全く偶然だけのギャンブルではない」と表現してきたことですね。私の予想レベルはまだまだ未熟なものですが、天星流という独自の予想法を創り出してからは平成16年、平成17年と連続してプラス収支を計上しています。この真偽というのは、購入馬券を全ての事前UP等を行っていない以上読者の方に確証を以って説明できませんが、事前予想がたくさん掲載されているメルマガのバックナンバーを見ていただければ、ある程度伝わるのではないかと思います。

 どんな世界にも言えることだと想像できますが、常識が通用しない深層はあるということです。表層をとらえてその世界に決め付けをすることはやってしまいがちですし、深層に到達できなければ(ここでは、やったことがないのとやったけどうまくいかなかったというのはほぼ同じ)その人の主張となるのですが、その主張で競馬は儲からないからやるのは頭が弱いと軽視するのは、私が株やパチスロ等の他の投資・投機について「わかりにくい」、「面白くない」、「リスクが大きい」、「時間がもったいない」と言って敬遠、軽視しているのと同じだと思います。私は2005年の春に、競馬の依存性を主にパチスロと比較して考え、「競馬依存症を考える」という文章を書いていますが、今から見ると私のエゴも多く含まれていると思います。パチスロのプロの方は、私の想像を遥かに超えたところにいて、パチスロについて全く違う考え方を持っていると今は思っています。

 こうしてお伝えしている私は競馬の馬券的成功において、ぎりぎり何とか一応、壁を超えたと思っている人間です(何を以って壁を超えたか否かを判断するのかについては今現在、回収率よりも的中率が大事で、軸馬選定の精度が目安になるかと思っています)。勝ち組の方々はあまり語る方がおらず、有料予想という形態に移行してしまい、入会しない限り一般の方には勝ち組の方のメッセージが伝わることは少ないですし、有料予想には悪徳の予想業者も存在するため、どうしても深層側の競馬観は伝わりにくいと思います。

 「本当に儲かるなら人に教えない」という言葉があります。しかし、壁を超えたらそうでもないんですよ。競馬は1週間の土日に24〜36レースあります。それが来週も、再来週もあります。自分が本当に儲かると思うレースは教えなくとも、他でそこまで詰め切れなかったレースならいくつでも提供でき、自分が立たない土俵(少額投資含む)で自分の予想を参考にして他の方が美味しい思いをしてくれるのはむしろ喜ばしいことです。それに、井崎氏ほどの有名人ならともかく、サイトやブログで予想を発信している私などのレベルでは、自分が勝負する舞台であっても、その予想を提供したためにオッズに影響を与えることは少なく、教えないで僅かに高い配当を得る利益と、教えて感謝されたり自分のことを覚えてもらえたり期待していただくことの利益では後者のほうが高くなるほうが多いと思います(もちろん、ノウハウを公開することはまた違いますが)。
私もこの夏の一時期、予想を公開することによって配当が減ってしまうことに複雑な気持ちを抱いたことがありますが、『勝ち組の勝利指針』を発行している勝ち組さんにメールで相談したところ、「その可能性もあるかもしれませんが、基本的には関係ないと思っています。〜中略〜午前中にはよく見られる現象ですが、最終的にはオッズは正しい方向に修正されていきますので。」とのお返事をいただき、霧が晴れた思いがしました(勝ち組の勝利指針は、無料メルマガで6000人以上もの購読者数を持っていらっしゃる業界トップクラスの実力派です。その方がそういうお考えで成功していらっしゃるのであれば私のレベルで深刻に考える必要はないですよね)。

 ちょっと話がそれました。つまるところ、競馬で儲けている人もいるし、継続的にやっていっても儲けられる人もいるということです。平均というモノサシで語ろうが、それは常識の中での話にすぎません。前回の至極一般的に言われている「競馬は儲からない」のウソで私が言いたかったことも、とりあえずそこまでの話でした。しかし、メールでの反響(というほど頂いたわけではありませんが)や一部で私の文章を取り上げていただいたところを拝見すると、「それはわかるよ」という方も結構いらっしゃると感じました。ですから、今回はその論を更に進めてみたいと思います。
 
 去る10月28日金曜日の産経新聞朝刊第1面に「記録的活況の立役者・ゲーム感覚の危うさ」という見出しの記事が踊りました。この後段に、三菱UFJ証券の藤戸則弘投資情報部長がデイトレーダーについて、「投資というより投機。パチンコや競馬、競輪と同じ感覚だ。どういう企業かも知らずに株価の動きだけを見て売買しており、株価が調整局面に入ると痛い目に遭いかねない」と警告する部分があります。これ、私などは腹が立つんですが(苦笑)、どう思いますか。我々競馬ファンはどういう馬かも知らずにオッズの動きだけを見て馬券買っていますか? このような記事が全国紙の1面に載るくらい、競馬というのは考えてもしょうがない、知性のないギャンブルだと認識されているのです。

 また、上の文言では、どういう企業か知らずに株価の動きだけを見て売買するのが投機で、どういう企業か知って売買するのが投資だと読めるのですが、そうなると私などは競馬も投資だと思えるんです。馬を見て馬券を買っていますから(馬を見てとは何を見るんだと問われたら、能力、距離適性、スピード、末脚の特徴、騎手、調教、条件などと答えましょう。それで完全かどうかは今の私にはわかりませんが、これである程度の水準には到達できます)。株はどうなんでしょう。株だって、どの情報が企業の価値を正しく評価できるかなんて本当の意味ではわからないのではないでしょうか。

 株と競馬、投資と投機・ギャンブルの違いについて検索をしたところ、その違いについて書かれているサイトがいくつか見つかりましたので、それを見ながら考えてみたいと思います。見つかったサイトと概要文(下線は筆者追記)を紹介しながら、それに対する私の見解を書いていき、最後にまとめたいと思います。

チャート分析で儲ける株式投資−株の楽園−
(http://kabu-rakuen.com/hazimeni.html)
このページでは,これから株取引をはじめようかなと思っている方,株はギャンブルだ,危険なものだと思っている方に読んで頂きたくて作りました。わたしは決して株はギャンブルだとは思っていません。〜中略〜株式投資と言うとどことなくギャンブルというようなイメージでとらえられがちですが,決してギャンブルではありません。例えばギャンブルと言えばみなさんは何を思い描きますか? パチンコ,競馬,競輪,競艇などですか?その他には宝くじや,ラスベガスなどを思い描く人も多いのではないでしょうか。今あげたすべてのものは,おこなった時点であなたはいくらかの損をしていることになります。結果は関係ありません!なぜならば,それらを運営している団体で,ある程度の経費を引き,残りの金額を当選者に分配しているからです。
株がギャンブルではない!という理由
@おこなった時点で損をすることがない(多少の売買手数料はとられます。)
A運が左右する割合が低い。

 「おこなった時点で〜」のくだり、結果で的中した場合を無視しているのは滅茶苦茶です。胴元取り分によるマイナスはあくまでも平均の話であって、皆がマイナスになることはないのです。運が左右する割合が低いについても、そうかもしれませんが、どう比較したのかが書いてありません。この方は、「ギャンブル=危険なもの」という先入観を持って書かれており、それなら「株は皆さんが思われるほど危険なものではありません」と書けばいいものを、ギャンブルと比較する方って多いのですよね。

投資とギャンブルの違い
(http://logipara.com/zaregoto/toushi.html)
ギャンブル……利益を上げるために本人の作業(時間)が必要なもの。利益が単発で終わるもの。
投資……本人が作業をせずとも、自ら投じた資本の価値を複利的に増やせるもの。利益を上げるための「システム」に資金を投じるもの。
〜中略〜我々が働いた給料を投じ、資産を作ろうとするならば、「投資」をしたほうがいいでしょう。
〜中略〜よく、「株はギャンブルだからやらない」という人がいます。それを聞くたびに、私はちょっと切ない気持ちになるのです。確かに株にリスクもあるのは事実です。ですが重要なのは、リスクを知り、リスクをコントロールする方法を知ることだと思うのです。

 よく、「競馬はギャンブルだからやらない」という人がいます。それを聞くたびに、私はちょっと切ない気持ちになるのです。確かに競馬にリスクもあるのは事実です。ですが重要なのはリスクを知り、リスクをコントロールする方法を知ることだと思うのです(笑)
 冒頭の定義はこの方がされたものです。これで言うと、株の銘柄を選ぶことに「作業」はないということなのでしょうか? ちゃんと企業を調べるのでしたら、それは利益を上げるために本人の作業(時間)が必要なものとは言えますよね。結局ギャンブルも投資も関係なく、しっかり銘柄を選んで株を保有したらいいですよという文章だと思います。

競馬好きの主張!
(http://ameblo.jp/otemachi-sec/entry-10004051974.html)
僕の待ち受け画面は「クロフネ」という馬なのですが、それを見た彼女は「競馬はギャンブル。よくない」と一方的に吐き捨てました。
普段なら、相手にもしないのですが、少し疲れていたのと酒が入っていたので、反論しました。
僕「ギャンブル=よくない、が成り立つのはなぜ?」
女「ギャンブルは必ず負けるもの、みんなで遊びでやるのはいいけど、継続的にやれば、必ず負けるようになっているから、よくない」
僕「それは、あまりにも単純な批判。ちなみに僕は、ここ数年間は年間を通して勝ち続けているし、昨年からは月単位でも+10万円弱を維持している。今後も維持し続ける自信もあり、必ず負けるという構図には成りえないと思うのだけど、それに関してはどう思うの?」

馬は旨いが競馬は不味い
(http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/50066361.html)
ギャンブルだから悪いのではない。ギャンブルとして悪いのだ。
競馬はギャンブルとして見ると、期待値が低すぎるのだ。75%しかない。

 競馬好きの主張!さんは月単位で10万プラスですから、それなりの腕を持ってらっしゃる方ですね(回収率情報がないので、効率がどの程度なのかはわかりませんが)。そうそう、こういう方の意見に対してどのような反論ができるのかを私は知りたいのです。この文章をリンクして自分の意見をしたのが下の方。期待値が低いから悪い、とのことですが、「月単位で10万プラス」についてどう考えているのでしょうか? すでに競馬でそれだけの儲けを出せる技術がありながら、それを放棄して1から勉強して、それ以上の儲けを簡単に出せるほど株が期待値の高いものなのでしょうか(もちろん、巨額を動かせば株のほうがやりやすいかもしれませんが)。上の方からすれば、下の方の言う75%などほとんど意味のない数値なんですよ。上の方の彼女と下の方は同じレベルからの批判にすぎません。

確率と感覚:今月のコラムーニッセイアセットマネジメントー
(http://www.nam.co.jp/market/column/050329.html)
今回は何故、人々がギャンブルするのか、その根拠を探ってみたいと思います。身近な例として、競馬と宝くじがすぐに思いつきますね。それらを投資対象としてみた場合、昨年末の有馬記念の期待収益率は−25.8%、年末ジャンボが−52.3%でした。一方、昨年、2004年のTOPIXの収益率は+11.3%でした。これら数字からすると、明らかに株式投資が得なのは分かります。というより、競馬も宝くじも期待収益率がマイナスなのですから、投資という観点で考えた場合、だれもそのゲームに参加するはずがないはずです。
〜中略〜
期待収益率で見た場合、競馬、宝くじは客観的にとても投資する対象とはなりません。けれど、多くの人が好んでそれらにポケットマネーをつぎ込んでいるのが現実です。その背景のひとつには、こういった人々の小さい確率にたいする感覚の麻痺というものがあるのですね。

 下線部を見れば、確かに全体の収益率からすれば株式投資のほうが得です。そして宝くじについては、この方が言っていることはもっともで、巨額が当たる可能性があれば、それを「夢」としてほとんど当たらない確率でも感覚の麻痺によりくじを購入する人がいるという風に説明できるのだと思います。しかしこれも安直に競馬を盛り込まれると私はよくわからなくなるのです。競馬は時として99%来ると思われる馬がいるレースがあります。単勝だと微妙かもしれませんが複勝だとわかっていただける方は多くなると思います。それに対する配当は100円(1.0倍)を割ることはありません。つまり、その馬の複勝が110円以上つけば、その時点でプラスの期待収益性を感じて賭ける方はいるのです。もちろん、ただ高額配当だからとそういう馬券を買う方もいますが、皆が当たりもしなそうな大穴馬券を買うのが競馬ではありません。

発言小町:私の彼氏は株がだ〜ぃ好き。のレス(抜粋)
(http://www.yomiuri.co.jp/komachi/reader/200501/2005012100146.htm)
株はギャンブルじゃありません!!(怒り)
あー、あなたみたいな人が多いから
株やっている人は肩身が狭いんですよね・・。
よく、不労所得とか言われるので頭にきます。
こっちは、頭に汗をかいてお金稼いでいるんですよ。

経済新聞などで学習をしようとしているのならその他のギャンブルや宝くじなんかよりもずっと実のある投資だと思います。
株だと聞くとイコールギャンブルと結びつく方って多いんですよね。。

みなさん書かれてるように、株はギャンブルとは違いますよ。
最近はネットで簡単に売買できるから、ギャンブル感覚でやる人も増えてるのも確かですが・・・。
でも、ちゃんと経済のことがわかってないと本当の株式投資は難しいものです。
ちゃんとその会社の業績や業界の動向、チャート分析等々わかっていなきゃいけない事がたくさんあるのです(本来は)。
それがわからないからリスク管理ができず、「株=大損する=ギャンブル=怖い」って頭ごなしに思うことにになるのです。
株の儲けは一か八かではありませんよ。

株で借金を抱える人というのは大抵が信用(所持金以上に株を買う・売る)取引です。
有名人が大借金・・・とかネガティブなニュースが出るたびにイメージダウンするなと悲しくなります。
株はギャンブルではありません。

ギャンブルではない・・・
と否定に一生懸命の方が多いようですが、定義的には「いわゆる株式投資のほとんど」は、ギャンブルです。
辞書調べてみればわかると思いますが、ほとんどの株式投資はイコール「投機」です。投機イコールギャンブルですから。
そもそも元本保証が無いという時点で預金などとは違いギャンブル的要素は少なからずあるわけです。
その期待値とリスクが大きいか小さいかだけで、一般的なギャンブルと何もかわりはないです。

株式投資は究極のギャンブルだと、思います。はっきり言って。
ギャンブルだと書かれて怒っている方もいますが。
身の回りの全てのことが、株式というギャンブルを行う上での判断材料です。普通のギャンブルは主催者の取り分がある「マイナスサム・ゲーム」ですが、株では企業の得た利益が上乗せされ「プラスサム」となる、極めて有利なギャンブルです。

株でも為替でも商品でも不動産でも宝くじでもパチスロでも、リスク管理が出来る人は出来るし、出来ない人はできません。それだけのことです。

頭に汗をかいてお金稼いでいるからギャンブルじゃない、さまざまなデータを集めて分析してリスク管理してやってるからギャンブルじゃないというなら競馬もギャンブルじゃないですね。
私は競馬は興味が無いので詳しくは知らないのですが、競馬好きの友人に言わせれば、血統がどうとか、短距離で強いとか長距離で強いとか、いろいろ考えるべき点は多々あるそうです。
でも、「競馬はギャンブルじゃない」と言っても、まともに聞いてくれる人は多分居ないんじゃないでしょうかね。

株はギャンブルじゃないという人達へ
以下との違いを教えてください。これでいうと競馬もギャンブルではありませんね。
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最近はネットで簡単に購入払い戻しできるから、ギャンブル感覚でやる人も増えてるのも確かですが・・・。
でも、ちゃんと競馬のことがわかってないと本当の投資は難しいものです。ちゃんとその馬の成績や調教や血統、馬場・ペース分析等々わかっていなきゃいけない事がたくさんあるのです(本来は)。
それがわからないから回収率管理ができず、「競馬=大損する=ギャンブル=怖い」って頭ごなしに思うことにになるのです。競馬の儲けは一か八かではありませんよ。

ギャンブルには違いない
予測が外れる危険を伴うのがわかっててやるのですから。
投資なんていったって、要はギャンブルです。

株はギャンブルに非ず
ギャンブルは、必ず負けるようにできていますが、株はその限りではありません。
その点において、株とギャンブルは異質です。

株はギャンブルじゃない、に大笑い!!
既に書かれている人もおられますが、競馬の予想屋なんかは、馬の血統、得意なコース、騎手の癖、天候による過去の実績、馬と騎手の相性等、もろもろ検討して予想してますよ。
パチンコで喰っているパチプロだって、各パチンコ店のサービスタイムの時間、曜日、新型パチンコ台の攻略法等、研究しています。
それこそ、「頭に汗かいて」  笑)
株の予想とどこが違うの?
まぁ、競馬やパチンコを「経済活動」とは呼びませんけどね!

結論から言うと株式投資はギャンブルではありません。どなたかが競馬や競輪と同じく儲けることを期待しているから株もギャンブルだといっておりましたが、その意見には賛成できません。
競馬の場合、期待値は1を下回っているので、確率的には損をします。一方株式の場合、そんなことはありません。株価は短期的に大きく変動するので、短期勝負の場合は、ギャンブルといえなくもないでしょう。ただし長期で見れば株価はファンダメンタルズに従うと期待されるので、順調に成長を遂げている会社の株に長期で投資するのであれば問題ないでしょう。
因みに宝くじの期待値は0.4ぐらいです。これは競馬・競輪の期待値よりもよっぽど低い値です。

「投資」利益を得る目的で、資金を証券・事業などに投下すること。
「投機」将来の価格変動を予想して、価格差から生ずる利益を得ることを目的として行う売買取引。
「ギャンブル」賭(か) け事。博打(ばくち) 。投機。
投機=ギャンブルってことです。

ちなみに私は「株はギャンブルではない」派です。日経を読むために割いている時間は、結構なものになります。正直、疲れます。それでも立ち止まるのはイヤなんです・・・。

やっぱり博打でしょう
日経新聞を隅から隅まで毎日読んでいるから大丈夫?
そんな訳ないでしょう。
日経新聞に出ていることなんか全て株式相場は折り込み済みです。
IR情報に基づいているからよい?
現にIR情報に問題があったり、情報が漏れてインサイダー取引が行われたりしますが、どうお考えですか?
最近では西武鉄道の騒ぎなんかもありましたよね。
ファンダメンタルズのよい企業を探せばよい、将来性のある企業に投資すればよい?
そういう銘柄はすでにふさわしい株価まで上がっているのが普通であり、また突然の業績下方修正、多額の損失計上、などで株価が急落するケースもまれではありませんが。
株は期待値1以上の、極めて有利な博打です。企業の生み出した利益を少しでも多く取り合うゲームです。そういう観点がもてない方は株なんかやらないほうがよいでしょう。

 これはある女性が、彼氏が株をやっていることの不安について掲示板に書き込み、それに対して寄せられたレスをまとめたものです。株はギャンブルではない、という意見から始まり、途中から株はギャンブルだ、という反論がぶつかりあっていて面白いですよね。ギャンブルではないとする意見で読めるのは最後から4つめの紫にしたレスで、期待値がプラスかマイナスか、という面から投資かギャンブルかを定義されています。他はギャンブルに対して悪い先入観を持たれた方の意見であり参考になりません。全体的に見ても株はその実情からすればギャンブルと変わらないと思える内容ですね。

 あと、ここでわかったことは、最後から3つめの灰色にした部分ですが、辞書の意味によると、「投資」は資金を証券・事業に投ずることとされており、そもそも馬券にお金を投ずることを投資とは言わないようです。だから、馬券の購入を投資とはそもそも言わないのでしょうね。ただ、今回は辞書の意味だけではない実態面について考えてみたいと思っています。

投資とギャンブルの違い
(http://d.hatena.ne.jp/yamaza/20041206)
では、投資とはなにか…、それは価値の創造を助けているということだろう。そのシステムがあらたな価値を生み出すことに協力しているのだ。ある価値を創造している会社に資金を貸し、それをあらたな価値に変えてもらうわけだ。たとえば、山では果実が取れ、島では魚がたくさん取れる。魚の少ない山には魚に価値があり、果実の少ない島では果実に価値がある。このような価値を作り出して行く手伝いをすることが投資になる。
わたしが株はギャンブルではないと思っている理由は、その価値を作り出していると思える組織を選んでいるからだ。そしてその組織が価値を作り出す手助けになっていると信じている。この選択がなければ株はギャンブルとなってしまうだろう。
ん?ギャンブルだって、選択肢はたくさんあるぞ??

新たな視点、価値の創造が登場しました。株式会社は価値の創造をし、それを助けるのが株式投資という意見です。同じような話をされている文章もご紹介します。

貯蓄と投資、投機の違い
(http://www.dcnavi.jp/shinkin/Mn0200/Mn0205/html/205a04.html)
「投資」というのは、モノをつくったり、サービスを提供したりするなど、何らかの経済活動を通じて、価値を作り出していることにお金を投じることをいいます。つまり、短期的には、価格が変動するリスクがあっても、長い目でみれば価値が高まるだろう、というものにお金を投じる行為なのです。
「投資」はプラスサムの世界です。プラスサムは中長期で成長があり、みんなが幸せになることが期待できるケース。例えば、会社がどんどん成長するので、株価も上がり、その株を売った人は儲かります。高くなった株を買った人も、株を買った値段以上に株価が上がるので、みんながハッピーということが期待できるわけです。
 逆に「投機」は、売買に参加したうちの誰かが儲かれば、ほかの誰かが損をする(つまり、売買に参加している人の合計の損益がゼロ以下になる)ゼロサムの世界です。麻雀や競馬などのギャンブルなどはその典型です。
 また、その決定プロセスにも大きな違いがあります。「投資」はたくさんの情報の中から、より有効な情報を収集して、調査や分析に時間をかけて、慎重に投資先を決めます。一方の「投機」は限定的な情報をもとに、少ない選択肢から決定するというイメージです。

 これまでの文章を参考にさせていただき整理すると、競馬がギャンブルであり、株が投資であるという論拠となっているのは、以下の点であろうかと思います。
@株はプラスサムで競馬はマイナスサムである。プラスサムは投資と呼べるが、ゼロサム以下では投資とは呼べない。
A投資は価値を作り出すことにお金を投ずることであり、価値を生まないものにお金を投ずる投機・ギャンブルとは違う(投資は経済に役立っている)。

 @について。株式投資はプラスサムという話ですが、景気が下降局面の場合等を考えると必ずしもプラスサムとは言えないのではないでしょうか。冒頭で紹介したひろゆき氏が比較として提示していたのが、メリルリンチのサイトに掲載されている保有年数と投資収益率のグラフです。しかし、このデータは1978〜1998の20年間の数字で作成されており、バブル景気の上昇を含んだものです。対象をバブルが弾けてからの1990年以降だけにしたら、どんなグラフになるのでしょうか。なんとなく、競馬ほどマイナスでないにせよ、マイナスサムな気がするのですが。

 また、長期保有をすればマイナスになるリスクはさっきのグラフでの見た目上は小さくなると思いますが、貨幣の価値自体が動くリスクや、信用リスク的な面でのリスクは別途あるはずです。そのリスクについては、保有している購入銘柄の株価の推移を見ながら継続的なリスク管理をしなければなりません。競馬が単発で短期に結果が出ることの利もあるのです。競馬は掛け金がゼロになる危険性が非常に高いのですが、その分、儲かるときは回収率500%とか1000%とか、またはそれ以上になることだってあります。投資的に競馬を行うとしたら、元本全てを賭けなければいいのです。100万円のお金を運用するとして、株であればその多くをいくつかの銘柄に配分するのでしょうが、競馬はその一部(例えば2万円)を小出しにしながら儲けを出すのです。そのレースで負けても98万ありますから、元本ゼロにはなりません。このように、結局はリスク管理で収まる話のように思います。

 私が競馬でプラスの見える位置にいるからかもしれませんが、平均プラスになるからとか平均マイナスだからという判別によって投資と投機・ギャンブルを区別することには反対です。株だって負ける人は負けるんです(今は好景気ですから株で儲けられる人は多いと思いますけど)。株で儲けるためには経済を勉強しなければならないのでしょうが、競馬も同じです。株は平均して儲かるからと安易に「株=ギャンブルと違う投資(リスクが少ない)」と推奨するのは誤解を与えることだと思います。

 Aについて。馬券を買っても確かにあまり価値を作っているとは思えませんが、価値を全く生み出さないとも思わないです。

 馬券を買ってプラスになれば、そのお金で何か自分の欲しいものやプレゼントになるもの等を買えばいいですね(泡銭と考えて、人に奢ったり太っ腹な買い物をできる面から消費にプラスに働くのではないかと思われます)。マイナスになった分はどこへ行くかというと、誰かの財布に入り、誰かが自分の欲しいものやプレゼント等を購入するお金になります。また、JRAに控除された約25%については10%が第1国庫納付金として国に納められ、残りの15%が開催運営費、賞金などに充当されます。国に入った分は、その4分の3が畜産振興事業等に必要な経費に、4分の1が民間の社会福祉事業の振興に必要な経費に充てられていますし、開催運営費、賞金がなければ競馬自体が運営できなくなってしまいます。国やJRA等の関係団体は何も価値を生み出していないのでしょうか? 競馬が発展することによって、その波紋によって関係企業は人の欲するモノを生み出すことがあるでしょう。日本の競馬というエンターテイメントに対して、及び自分の競馬知識や馬券力の成長に対して長期的な投資をしていると考える人がいても不思議ではないと思います。

 馬券そのものについても、例えばディープインパクトの新馬戦の単勝馬券は100円で買えたものが、ネットオークションで4万円になったそうです。人の考えや欲にはいろいろなものがあり、どんなところから価値が発生するかはわかりません。
 
 私は以上のように考えていますので、株が投資、競馬がギャンブルであり違うものという一般的見解については異議を唱えさせていただきます。両方ともお金を増やしたいとしている意味では同じであり、努力をしなければ運次第ですから、違いはリスクとリターンの大きさの違い及び植え付けられた印象の違いでしかないと思っています。

 競馬はレジャーなどの面もあり、努力して儲けることを半ば諦めている方が多いことも、金銭面において悪い意味でのギャンブルと印象付けられてしまう理由のひとつであると思います。しかし、それこそ競馬の醍醐味であるロマンや娯楽性によって生まれるものであり、皆がお金儲けとして競馬を考えるようになるのもピンときませんし無理でしょう。今回は「ロマン以外で」という話に対して書きましたので、お金面で投資(特に株式)との比較をしていきましたが、お金面だけで考えても株投資とヒケを取らない面白さと深さがありつつ、お金だけではないのが競馬なのです。

 長々と書いてしまいましたが、競馬が「ギャンブル=危険なもの=悪」という単純なものではないということをお伝えすることの助けとなり、少しでも多くの方が興味を持つようになってもらえれば嬉しいです。人生は一つでも多くの楽しみがあった方がいいですし、その楽しみの中に競馬を入れて頂けたらいいなと。その楽しみ方も色々で、やっぱ予想も楽しめて、さらにそれぞれドラマがあって、最終的には儲かったら(笑)、楽しいですよね?


                            (初稿2006.01.14、最終更新2006.06.10)