スケジュールの考察


 競馬を始めた頃、新聞の出走表で目立つのは1着や2着(カラフルになってたり)で、そういう成績がある馬が強そうに見えてしまうのですが、やっていくうちにどのレースを使っているかがより重要なことに気づいてきます。すなわちローテーションの重要さなんですが、ローテーションは番組で決まったスケジュール上のレースを使わざるを得ないので、さらにやっていくと、スケジュールについて考えるようになります。(本番に近いレースを使いたいのに、そういったレース自体が存在しないとか)
 ということで今回はスケジュールについて考察してみましょう。

 まず、基本的なスタンスは伝統重視です。(データ予想家として当然かな)
 距離やコース、時期をコロコロ変えることには反対です。
 レース条件を変えることで「よりよくなるかもしれない」という期待で、これまで多くのレースが設置・廃止され、条件変更になりました。下級条件レースならば必要な試行錯誤だと思いますが、反対なのはGI戦、伝統あるGII戦、伝統のトライヤル戦を変えることです(特に八大競走などは、何十年もの歴史があり大反対)。
  条件によって競馬の結果は変わってしまうもので、(例えば高松宮記念、2000m好走する馬と1200m好走する馬は違う)、過去のレースとの関連がそこでプッツリ切れてしまいます。
 それによって、過去の名馬との比較ができなくなり、ジンクスに挑戦、これまで成し遂げられなかった偉業に挑戦、そういったものがなくなります。
 例えば現在、天皇賞秋のデータを作るのに、昭和58年以前の資料を使う人は多分いません(3200mから2000mに距離短縮された)。キョウエイプロミス、メジロティターン、ホウヨウボーイ、プリティキャスト、テンメイ、ホクトボーイ、アイフル、これらの馬の成績を知っている人はかなり少ないはず、もう比較の対象とならない馬たちは、歴史に消えていく運命にあります。
 2000mになってからは、ミスターシービー、ギャロップダイナ、サクラユタカオー、ニッポーテイオー、タマモクロス、スーパークリーク、ヤエノムテキと続いています。こちらのほうが当然知っている人は多いでしょう(もちろん時代が近いんですが、過去10年からはすでに消えた馬たちです)。ちなみに天春の昭和58年以前は、アンバーシャダイ、モンテプリンス、カツラノハイセイコ、ニチドウタロー、カシュウチカラ、グリーングラス、テンポイント・・・。グレード制がない時代のためもともと比較されにくいところもありますが、こちらのほうが知っている人は多いはず。

 「過去が何だ、現在の日本競馬のレベルを高めるスケジュールが一番だ」という人もいるかもしれませんが、過去と現在の競馬をつなげているものに、その「条件」が占める割合の大きさを確認しましょう。そこを改革することが本当に競馬のレベルアップにつながるかはわかりません。極端な話、来年からのスケジュールが条件・時期・コース全て変わったら、あなたはどう思いますか?
 私は、見てきた名馬たちが過去の馬になり、比較できなくなることをとても残念に思います。そして、少なくとも数年間は競馬をやめるでしょう。それっきり、になるかもしれません。それくらいの衝撃は受けるでしょう。

 例えば、3冠をもっとハイレベルにするという目的で皐月賞を1600mにしたとしましょう。
 そしてすごい強い馬が3冠達成したとします。
 でも、その馬とナリタブライアン、シンボリルドルフ、ミスターシービー、シンザン、セントライトは比較できません。なんとなくそれより凄いのかなと思うくらい。これらの馬の偉業はもう過去のものになってしまっています。皐月、NHK杯、ダービーの春3冠を達成したヒカルイマイがメジャーじゃないように。(この馬は希代の追込み馬として知っている方もいるだろう。ダービーは3コーナー27番手からまくって突き抜けた鬼脚馬だった!)ヒカルイマイよりも、それより昔のシンザンやセントライトが有名なのは、今も続く3冠の伝統だと思います。
 加えて1600mに変更したら、ローテーションの関係からダービー目標の馬が皐月賞に出走しなくなり、3冠の意義すらなくなる危険性も秘めています。

 最近では、菊花賞の開催時期移行が不満です。
 2週間繰り上げたことでトライヤルがセントライト記念と神戸新聞杯だけになりました。これで京都競馬場が本番初挑戦という馬が多くなり、関西馬は2000mまでしか走らないで来ることも多くなるでしょう。データを作っていての感覚ですが、3000mの前哨戦が2000mというのはよろしくなく、長距離適性を測るには最低2200mでのレース実績が欲しいです。
 しかし、ジャングルポケットがついに3歳ダービー馬のJC制覇を達成したように、JCの格上げにつながったのも確かで、ただ戻せというのは難しい。(現在のJCの問題は、国内の実力馬が集まらないことよりも世界の名馬が来てくれないことだ。これについてはまた後日)八大競走の天皇賞秋、有馬記念とJCを動かすことはほぼ不可能なので、菊花賞は移動した10月3週から戻らないとして策を練ろう。

 京都の開催週を1週繰り上げて京都新聞杯復活とかはできないんだろうなあ。
 でなければ神戸新聞杯を2200mへ、セントライト記念を2500mにしましょう。
 さらに9月1週か2週の札幌に菊花賞トライヤル札幌3歳S<仮>(GII3歳・別定・芝2600m)を創設するのはいかがか。輸送が大変かな? でもジャングルポケットは札幌記念使ったし、ちょっと間隔があれば有効でしょう。
 これくらいのバックアップなしには菊花賞の格を維持することは難しいと思います。(本番と前哨戦のレース体系がかけ離れていると、評価されていた馬がしっかり結果を出せる条件・環境にならない。ローテは重要)

 菊花賞に絡む話として、長距離をなくそうという方々が最近多いようです。もちろん私は反対です。
 ここから日本の競馬をどう考えていくかは人それぞれだと思いますが、私は菊花賞を残留して三冠を保持したいと願う一派です。理由はいくつかあります。
 まず、1.日本の最上格レースである「天皇賞春」が3200mであり、また知名度ドラマ性の高い「有馬記念」が2500mであること。両者の格が落ちない(距離が変更にならない)限り、存続に意義があります。(データアートで、この3レースはスタミナ面でかなりの関連性があることがわかっています)
 そして、2.「天皇賞春」が日本競馬界で最上格レースであること。これは歴代勝利馬を並べればわかることです。長距離だけでなく、競馬界を背負った名馬たちが揃っています。つまり、3.3200mを制する馬は、2000m以上では問題なく勝負になること。先ほどから書いているように、競走馬の距離対応を大げさに言えば、「大は小を兼ねる」なんです。長い距離に強い馬で中距離を凡走した馬はライスシャワーくらいで、あとはみな京都大賞典や宝塚記念でも本命に応えられる実力があります。

 海外の潮流に合わせてわざわざ伝統を捨て短距離化する必要はない。ただ、カク外開放はさらにレベルを高められるからOK。どうせ頭数少ないし、2頭とか枠作ればいいんじゃないかな?
 あとは、4.三冠の伝統(セントライト、シンザン、ミスターシービー、シンボリルドルフ、ナリタブライアンとの繋がり)保持。距離に不安がある馬が天皇賞秋に向かうだけで、今のところ賞金や手当てで優位な菊花賞への道がなんとか保たれている。
 古馬との対決は、JC、有馬記念があり、最後の同期戦が秋にあるのもいいではないか。そこで逆転が生まれるのが競馬の面白いところだ。
 それより、JCの有力外国馬の回避、香港競馬の台頭による有馬記念のレベル低下のほうが問題となってきそうだ。
 ということで、菊花賞は3000mで残したいな〜
5.長く楽しめるレースもいいじゃない。一週目のホームストレッチがなくなるのは残念。
6.駆け引きが面白い。
 みなさんはどう思われます?

 菊花賞と長距離レースの話になってしまいましたね(笑)
 そういやスプリント路線のスケジュールも課題が山積みでした。
 まったくスケジュールは難しい問題です。(強引に戻す戻す)


★後日談
 上記を書いた頃はナリタトップロードが天皇賞3年連続3着などしていた時代です。その後、最上格レースと書いた天皇賞春は格が下がり、菊花賞と同じような状況となってしまいました。菊花賞を長距離で維持する必要性の1,2に掲げたあたりは現在かなり怪しくなっています。武豊Jが自身の日記で天皇賞春の距離のことに言及したことから、今後天皇賞春が距離短縮することも現実味を帯びてきたように感じます。そのとき、有馬記念と菊花賞がどうなるのか。自分としては菊花賞は4であげた3冠の伝統のみの理由だけでも残してほしいと思っています。


(2002年3月9日筆、2005年8月25日最終更新)

 
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