JRA競走馬格付表


●スカイポットによる格付け(2010.11.14)

JRA競走馬格付表
西
格付
 
【横綱】
時代を背負う
名馬
ドリームジャーニー
ブエナビスタ
【大関】
次期横綱候補
 
オウケンブルースリ
【関脇】
GI歴戦のツワモノ(イマイチ?)
 
レッドディザイア
【小結】
古馬になって期待できる馬など
ナカヤマフェスタ
マイネルキッツ


★2010春期
 天皇賞秋をジャガーメイル、安田記念をショウワモダン、宝塚記念をナカヤマフェスタと、初G1勝利の馬が主要古馬G1を制し、混戦模様となった2010年前半戦。総合的な最強馬は依然ブエナビスタのままと思われるものの、横綱のウオッカやダイワスカーレットがいなくなり全体的に層が薄くなってきているのではないだろうか。横綱にリーチをしているドリームジャーニーはややピークを過ぎており、余程の展開利がなければ厳しそうで、次の横綱は戦績からして準規定で上がれそうなブエナビスタか。若駒戦はエイシンフラッシュがダービーを、ヴィクトワールピサが皐月賞を制し、牝馬はアパパネが2冠を達成したがまだ突き抜ける強さは見せておらず、古馬での活躍可能性は未知。

★2009秋期
 ブエナビスタは札幌記念で敗れたため凱旋門賞行きが中止となり、国内に専念したものの秋華賞でレッドディザイアに仕掛け遅れて敗北、エリザベス女王杯では歴史に残る前残りにより脚を余し、有馬記念では横山典騎手に乗り替わり先行策を取ったが今度はハイペースに飲み込まれる不利に遭遇しタイトルを増やすことができなかった。しかし、連戦でのパフォーマンスは既に古馬混合でも一番強いと思わせる内容であり、2010年の活躍が期待される。ウオッカは毎日王冠で逃げて失速、天皇賞秋では後方から行きすぎて届かずという結果であったが、鞍上を武豊からルメールに替えて臨んだJCを悲願の勝利。日本の牝馬のJC勝利は初であり、ウオッカがまたひとつ伝説を作ったことになる。2010年はドバイで1戦し引退する予定。3歳牡馬はロジユニヴァースが休養中でもあり、冴えなかった。古馬の牡馬では、ドリームジャーニーが有馬記念を勝って古馬G1を2勝とし、横綱に王手をかけた。

★2009春期
 古馬戦線ではウオッカがヴィクトリアマイルカップを5馬身差の圧勝、続く安田記念では馬群に包まれるシーンがありながら鋭い末脚でディープスカイを抑えて優勝、これで古馬G1・3勝となり文句なしに横綱昇進を決めた。負けるときは脆いが勝つときの力強さは印象的な馬だ。一方のディープスカイは宝塚記念でもドリームジャーニーに産経大阪杯に続く連敗でイマイチ路線の馬になってしまいそう(故障引退)。他に古馬でこれから横綱をすぐに狙える位置にいる馬はいない。新しい世代は古馬混合の条件戦等で既に渡り合えていることから、世代のレベルは高そうで、牝馬2冠を達成したブエナビスタ(凱旋門賞に挑戦する予定)、牡馬のロジユニヴァース、リーチザクラウン、アンライバルドらが秋の古馬混合戦での活躍を期待したい。

★2008秋期
 天皇賞秋をウオッカ、マイルCSをブルーメンブラット、有馬記念をダイワスカーレットが制すなど、牝馬の活躍が目立った秋期。ダイワスカーレットは連続連対を12に伸ばし、勝率7割5分、古馬G1も制したことで準規定で横綱への昇進を決めた。有馬記念の牝馬制覇は37年ぶりのことであり、ハイペースで先行馬が総崩れする中を逃げ切る文句のない走りだった。ウオッカは古馬G1を2勝とし横綱へ王手、3歳馬からはダービー馬ディープスカイが天皇賞秋3着、JC2着と実績を積み、大関への昇進を決めた。ダートのみの馬は当番付では評価してこなかったが、カネヒキリは長期休養明けでJCDを勝利し、初めて中央のダートG1を3勝する馬となった。横綱級だと思うが、今後ルールを考えて横綱に引き上げる可能性もある。

★2008春期
 横綱を目指して春期をスタートしたメイショウサムソンとダイワスカーレットだったが、メイショウサムソンは天皇賞春、宝塚記念ともに2着。引退前の横綱みたいな成績になってきてしまった。秋は凱旋門賞に挑戦する話もあるが、そちらでも毎度の粘り腰を期待したい。ダイワスカーレットは古馬混合G2である産経大阪杯を、メイショウサムソンやアサクサキングスを倒して勝利し、女傑への道を突き進んでいたものの故障で戦線を離脱してしまった。他ではウオッカが安田記念を楽勝し一応横綱への夢をつなぎ、天皇賞春でアドマイヤジュピタが素質を開花させたが故障してしまった。

★2007秋期
 横綱ダイワメジャーがマイルCSを制覇。昨年のマイルCSから数えて国内古馬マイルG1・3連勝はニホンピロウイナー、タイキシャトルに続く3頭目の大記録で、偉大な先輩を考えれば素晴らしい快挙。有馬記念も3着に好走し、彼らしい引退式を終えた。アドマイヤムーンは今年に入ってから春にG1・2勝をして横綱に王手をかけていたが、JCを勝利したことで引退が決まっていながら正規定で横綱に昇格した。2歳で応援していた馬だけに嬉しい。一方、天皇賞秋を勝って横綱間違いなしと思われたメイショウサムソンは、その後のJC、有馬で連を外して生涯連対率は66%にとどまり、準規定を満たせず横綱昇進は保留となった。引き続きG1勝利を目指してほしい。来期はダイワスカーレットとウオッカの横綱昇進があるのかが焦点か。

★2007春期
 メイショウサムソンが春の天皇賞を制し、アドマイヤムーンがドバイデューティフリーと宝塚記念を制し、同期のライバルが横綱に手を伸ばせる位置に来た。また、64年ぶりの牝馬ダービー馬も秋の成績如何では3歳牝馬で横綱に到達する可能性もある。また、現役1頭の横綱であるダイワメジャーもしっかり安田記念を勝って貫禄を見せ付けた。大きな展開はなかったが、秋にはメイショウサムソンとウオッカが凱旋門賞へ出走する意志を見せており、楽しみが広がった印象の春期だった。

★2006秋期
 古馬王道路線のうち4レースをディープインパクトが優勝。競馬界は今年もディープ一色の年となった。また、ダイワメジャーがディープが出走しなかった天皇賞秋を勝利するとマイルCSも制し、安藤勝己騎手の手綱に代わってブレイク。有馬記念でも3着に好走し、今後レース選択に幅が広がっただろう。綱取りについては、皐月賞はカウントされないものの既に古馬G1を2勝しており視界に入った。レベルの高い3歳世代からは、ドリームパスポートがJC2着と有馬記念4着、牝馬ではカワカミプリンセスがエリザベス女王杯を1位入線するなど活躍し、2007年は明け4歳馬の活躍が期待される。ディープインパクトが引退して寂しい競馬界となるが、次なる横綱を探していきたい。

★2006春期
 大きなレースはディープインパクトがおさえ、安田記念は外国馬が勝利したため、上位の変動はほとんどなかった。ハーツクライは有馬記念後、ドバイシーマクラシックも勝利したことから、横綱昇進も見える位置に来た。横山典騎手の騎乗が下手だったと言って済む話かわからないが、これらG1勝利のレース内容は違う馬が走っているかのような器用さを見せた。ダイワメジャーをマイルCSで僅差の2着まで持ってきたのも素晴らしい騎乗だったし、ルメール騎手の評価は高くすべき。あと、フェブラリーSを制覇したカネヒキリもあと1つの中央G1勝利で横綱となる。引き続き、日本競馬史に残る名馬ディープインパクトの黄金時代を楽しみたい後期だ。

★2005秋期
 6月にヒシミラクルが、11月にデュランダルが、12月にゼンノロブロイが引退し、4頭いた横綱馬もディープインパクト1頭だけとなった。2006年の競馬界をリードする馬はやはりこの馬となろう。海外挑戦の前の天皇賞春の勝利を期待したい。更に有馬記念ではタップダンスシチー、サンライズペガサス、ヘヴンリーロマンスらも引退となり、古馬中長距離路線の層がガタ落ちしそう。レベルが低いと言われるシックスセンスら4歳世代の奮起を期待したい。次なる横綱は今のところ見えないが、スイープトウショウは大きな混合G1を勝てばチャンスが見えてくる。または、フェブラリーSも勝てばカネヒキリも可能性がある。

★2005春期
 今期は何といっても歴史的名馬となったディープインパクトの活躍が目立った。史上6頭目の無敗の2冠馬となり、準規定(C)による横綱昇進は当然です。無事にいけば大横綱になってくれるのではないでしょうか。残念だったのはタップダンスシチーの大関留任、でも、04秋期に大関で終わりそうって言ってましたよね。こういう個性派名馬タイプは大関止まりってことがこれまでに多々ありますから。しかし、1番人気で勝てないからこそ大関止まりなんです。さて他では、スイープトウショウが混合戦でも通用するところを見せて小結昇進。これからの展開だと、天皇賞秋とマイルCSで更なる混合G1奪取を図るんでしょうか。楽しみですね。シルクフェイマスは残念ながら終わってしまったように見えます。

★2004秋期
 キングカメハメハが横綱の目前で引退。小粒のメンバーとなったように思われたが、まず短距離界の統一王者デュランダルがスプリンターズS2着後のマイルCSを勝利。これで古馬GI3勝となり、正規定で横綱に昇進、また、鞍上ペリエの賜物か秋の王道GI3連勝を達成したゼンノロブロイも正規定で横綱に昇進と、2頭を時代を背負う馬に格上げさせていただいた。デュランダルは香港で惜敗の5着だったが、ゼンノロブロイも来春は海外遠征を考えているとのこと。横綱の意地を見せてほしい。タップダンスシチーは有馬で惜しい2着。こういうタイプは横綱にはなれずに終わるのか…。

★2004春期
 王道路線では天皇賞春は4歳世代が凡走、宝塚記念は大関の意地でタップダンスシチーが強い競馬で勝った。タップダンスシチーは古馬混合GI2勝となり、ついに横綱を視界に入れた。秋は凱旋門賞に挑戦することが予定されているが、現在の日本最強馬の一角であることは確かなので好走を期待したい。3歳ではやはりキングカメハメハが抜けている評価。バブルガムフェロー、シンボリクリスエスに続く3歳での天皇賞秋制覇となれば準規定発動による横綱昇進もあるか。コスモバルク、ダイワメジャー、ハイアーゲーム、メイショウボーラーが前頭中位。ダイワ、ハイアーも菊花賞より天皇賞と言っているようで、菊花賞の格低下が心配だ。秋は横綱ヒシミラクルの復帰も予定されているようだ。

★2003秋期
 秋は天皇賞秋と有馬記念をシンボリクリスエスがともに連覇。大横綱になってくれた。実績で更に上を狙える器であり引退してしまうのは残念だが、次世代の活躍を楽しみたい。JCを過去最大となる着差で制したタップダンスシチーは年内6戦4勝で、大関への格上げ。綱取りには普通にGI2勝を加える必要があり厳しいか。横綱候補では2冠馬ネオユニヴァース、古馬GI2勝馬であるデュランダルに期待がかかる。有馬記念を好走した3歳馬、リンカーン、ゼンノロブロイの飛躍も望めそうだ。ツルマルボーイは万年関脇へまっしぐらか? ファインモーション、スティルインラブら牝馬も混合GI勝利で横綱を狙えなくはない。1頭の横綱となったヒシミラクルの復帰が待ち遠しい。

★2003春期
 天皇賞春、宝塚記念のまさかの連勝で菊花賞と合わせて3つのGIを戴冠したヒシミラクルが正規定(@)にて横綱昇格となった。ここまできたらさすがに実力を認めないわけにはいかない。ツルマルボーイより普通に強い。両横綱ではアグネスデジタルが安田記念で貫禄の勝利。シンボリクリスエスは宝塚記念を直行し、馬場差に泣いたがそれなりの走りを見せた。大関にはネオユニヴァース。横綱戴冠条件は無敗の2冠または宝塚連対だったろうから、惜しいところ。今後の成績で綱取りは近そうに思う。牝馬2冠馬スティルインラヴは小結へ。古馬や牡馬との対決如何ではさらなる飛躍もあるかも。ツルマルボーイがイマイチぶりを猛烈に発揮し始め関脇に昇格。比較的昇格の多い半期となった。

★2002秋期
 有馬記念の勝利でシンボリクリスエスが準規定(B)にて横綱昇進となった。3歳馬の同一年の天皇賞秋と有馬記念制覇は初の快挙であり、JCでも最先着した実績から文句のない昇進である(連対率は.727)。今後は天皇賞春には向かわず(さすが藤沢厩舎)、海外と天秤にかけつつ来秋のJC目標にレースを使っていくとのこと。トウショウボーイから数えて29代横綱として、しっかり日本競馬界を引っ張っていっていただきたい。
 ジャングルポケットは去年春以来大関残留。勝っているのはダービーとJCなので、ただあとひとつGIを勝てばよいというわけではない。一応、去年のJCは内国産の3歳馬初勝利というのとオペラオーを差しきったので価値は高いが、このまま負けが込んでくるとスカイのように万年大関になってしまうかもしれないぞ。と言ってるうちに引退決定。残念無念。


綱取り規定(@とAが正規定、BとCが裁量の関係する準規定)

 @古馬混合GI3勝、ただし菊花賞を含み、高松宮記念は含まない(香港GI、ダートのみも含まない)
 A混合GIを3勝で連対率.750以上
 B古馬混合GI含めGI2勝以上、連対率.700以上で格別優秀な成績を上げた馬
 C混合GI含めGI2勝以上、連対率.750以上で格別優秀な成績を上げた馬

*ただし、今期で引退する馬は準規定での横綱昇進はできない。

(注)スカイポットによる格付け表は、文字通り「格」を評価しているのであり、「実力」評価ではありません。
 (実力のある馬なら将来必ず表に上がってくるはずであり、それを急いで発掘するコーナーではない)
 横綱は成績優秀なGI3勝から秀逸な2勝レベル、大関は優秀なGI1、2勝レベル、関脇は成績良好なGI1勝レベルからGI2,3着を繰り返すイマイチ馬が該当する。どれにしても、GIになじみのある面々が並ぶようにできている。横綱になった時がその馬の全盛期となるケースが多いが、なってしまえば引退するまで横綱。時代を作り、更なる精進を目指すことを勝手に期待するものである。