NHKマイルCデータアート  2014年版

「馬場差重視データ」
2004年や2008年、クラシック路線の人気馬が順当に好走すれば、2007年や2009年など、全くノーマークの馬が激走することもある難しいレース。馬場状態にかなり影響を受けていることはわかるので、その観点から切り開いていきたい。

★バイアス分析

TBI(トラックバイアスインデックス)のツールを用いて、当日の馬場差を確認する(実際には、直前に判明するため、最後に行う)。

過去18年のNHKマイルCデーにおいて、予想時TBIがデフォルト及びフラットに該当しなかった年は、2003年、2007年、2009年。また、レース映像がないので確認できないが2001年も高速馬場であり、内先行有利なバイアスが発生していたとみなす。


【バイアス安定条件】
★抽出法

過去18年、バイアス不安定年(2001年、2003年、2007年、2009年)を除く14年における抽出法データ。過去の3着以内馬42頭中全頭が、以下A〜Dのいずれかを満たしている。(除外4年を足すしても54頭中51頭がクリアしている)

A.前5走で東京、京都、新潟の芝コース条件戦以上で勝利または0.3秒差以内の重賞連対

B.クラシック関連重賞(毎日杯、皐月賞、桜花賞、弥生賞、スプリングS)で勝利または0.3秒差以内入線

C.前走、芝OP以上レースで3角6番手以降から差して0.4秒差以上勝ち

D.前5走に芝の東京、京都、新潟の条件戦以上の戦績なく、以下のいずれかを満たす
(1).NZT5番人気以内
(2).前走芝コースOP以上で1番人気
(3).クラシック関連重賞で2番人気以内
(4).芝無敗馬

Bに該当し、A,C,Dのいずれかを併せ持つ馬は(6.2.3.0.1.1)。さらに前走の3角及び4角のいずれの位置より着順を上げていない馬を除くと(6.1.1.0.0.0)となり、中心にできる可能性。

★消去法

過去18年、バイアス不安定年(2001年、2003年、2007年、2009年)を除く14年における消去法データ。

Z.アーリントンC連対馬

過去、18年の馬柱を見るとアーリントンCで連対している馬が惨敗するケースが目立つ。バイアス安定時に馬券に絡んだのは06年1着のロジック、02年3着のタニノギムレット、97年2着のブレーブテンダーだけ。
(1).アーリントンCで終始2番手以内に先行して好走した馬(0.0.0.1.0.8)
(2).アーリントンCを除き、今春の重賞で3着以内実績がない馬(0.0.0.1.2.9)

Y.前走ダートを使った馬(0.0.0.0.0.11)

X.前走1200mを使った馬(0.0.0.0.2.19)

W.1600m以上で連対ない馬(年明け以降、差し(道中6番手以降)追込でOP以上戦0.1差2着以内実績ある馬を除く)(0.0.0.3.1.56)

V.前5走(少ない馬は全成績)の平均使用距離が1400m以下かつBPR1〜5馬の逃げ先行馬(0.0.0.2.0.24)

U.GI戦及び1200m以下戦並びにダート1400m以下戦を除く近3走に連対がない馬(0.0.0.1.2.22)

R.年明け後、2戦以上していずれも5着以下で連敗中の馬(0.0.0.0.0.17)

Q.OP勝ちまたは重賞3着以内がない馬(0.0.0.3.4.44)

P.前走1秒以上敗退馬(前3走にOP以上1600m以上勝ちある馬を除く。)(0.0.0.1.3.29)

O.前走皐月賞で10着以下かつ1.0秒差以上負けた馬(0.0.0.1.1.20)

N.前走が重賞でなく、下記(1),(2)のいずれも満たせない馬(0.0.0.1.3.60)
(1)全成績の勝率5割以上かつ連対率100%かつマイル以上で勝利あり
(2)前々走に重賞で1番人気に推されていた


【バイアス不安定条件(内先行有利)】
★消去法

過去、バイアス不安定年のうち内先行有利だった2年(2001年、2009年)における消去法データ。

Z.前走の位置取りが追込の馬(0.0.0.0.2.6)

Y.BPRがダートの馬(0.0.0.0.0.4)

X.BPRが差し、追込みの馬(前3走に1200m以下でBPR先行勝利実績ある馬を除く)(0.0.0.1.1.14)

V.今年の芝の重賞3着以内または条件戦以上勝ちのない馬(0.0.0.0.1.11)

※BPRとは、ベストパフォーマンスレースの略。各馬の近走から、格が最も高く好走しているレースを採用している(重賞3着以内、OP2着以内、条件戦1着)。そのときの脚質をG1でも採用することが多いため参考にしている。

BPR1馬は、ベストパフォーマンスレースの3,4角が先頭だった馬。BPR3馬はBPR1馬でなく、3,4角が3番手以内だった馬。BPR5馬はBPR1馬及びBPR3馬でなく、3,4角が5番手以内だった馬(ここまでをまとめてBPR先行馬ともいう)。BPR追込馬はベストパフォーマンスレースの3,4角のいずれかが二桁番手または出走頭数-3以降だった馬。BPR差し馬は上記までに該当しない馬。


【バイアス不安定条件(外差し有利)】
★消去法

過去、バイアス不安定年のうち外差し有利だった2年(2003年、2007年)における消去法データ。

Z.4枠までの内枠馬(BPR差し、追込馬を除く)(0.0.0.0.0.12)

Y.BPRがダートの馬(0.0.0.0.1.2)

X.BPR1馬(1800m以上実績を除く)(0.0.0.0.0.6)

W.今年の芝コースマイル以上の重賞3着以内または条件戦以上勝ちのない馬(0.0.0.0.1.13)


(参考)
★BPR分析

過去18年のBPR分布を調べたところ、BPR1馬(逃げ馬)が5頭のレースでも先行馬が残っているケースがあり、このツールはこのレースに使えない。

過去18年で3着に入った54頭のBPR脚質は以下のとおり。 

BPR1馬(逃げ)…3(2)
BPR3馬(終始3番手以内)…14(6)
BPR5馬(終始5番手以内)…11(10)
差し(他の条件に該当しない馬)…19(17)
追込(4角10番手以降又は出走頭数中後方3番手)…7(7)

カッコ書きの数字は馬場バイアスに異常の見られた2001年(内先行有利?)、2003年(外差し有利)、2007年(外差し有利)、2009年(内先行有利)を除いた集計数。

BPR1〜5馬の内訳は以下のとおり。

BPR1馬…メイショウボーラー、ファイングレイン(、マイネルモルゲン)
BPR3馬…ツクバシンフォニー、キングカメハメハ、デアリングハート、リルダヴァル、カレンブラックヒル、フラムドグロワール(、クロフネ、グラスエイコウオー、サマーキャンドル、ウインクリューガー、ムラマサノヨートー、ジョーカプチーノ、レッドスパーダ、グランプリエンゼル)
BPR5馬…タイキフォーチュン、シンボリインディ、レッドチリペッパー、アグネスソニック、コスモサンビーム、ラインクラフト、ダノンシャンティ、ダイワバーバリアン、グランプリボス、アルフレード(、ピンクカメオ)

これを解析すると、NHKマイルCはバイアス安定時には好位〜差し(追込みも可能)で、バイアス不安定時には先行が有利になる模様。

なお、バイアス安定時に逃げ先行馬で馬券に絡んだ馬はOP以上・マイル以上の好走実績がある馬。

(参考)
メイショウボーラー…弥生賞2着、朝日杯2着、デイリー杯勝利
ファイングレイン…NZT2着
ツクバシンフォニー…弥生賞2着
キングカメハメハ…毎日杯勝利、すみれ賞勝利
デアリングハート…桜花賞3着(0.1差)
タイキフォーチュン…毎日杯勝利
シンボリインディ…マーガレットS(1600m)勝利
レッドチリペッパー…フラワーC2着
アグネスソニック…きさらぎ賞2着
コスモサンビーム…朝日杯勝利
ラインクラフト…桜花賞勝利
ダノンシャンティ…毎日杯勝利
ダイワバーバリアン…NZT2着
リルダヴァル…野路菊S勝利
グランプリボス…朝日杯勝利
アルフレード…朝日杯勝利
カレンブラックヒル…NZT勝利
フラムドグロワール…いちょうS勝利


 ●過去実演