日本ダービー データアート 2018年版
【概要】
牡馬クラシック第2冠目。「ダービー馬のオーナーになることは、一国の宰相になるよりも難しい」という、かつての英国宰相チャーチルの言葉が、競馬界におけるダービーの存在感を示している。馬主、調教師、騎手など多くのホースマンがダービーの勝利を最大目標にし、1頭の馬にとって生涯1度きりのチャンスしか与えられないレースであり、若駒がその世代だけで戦う最終戦的なレースであることなどから、年間を通しても競馬における最大の祭典となっている。競馬ファンも、この盛り上がりの中で馬券を的中させたいところだ。
既に、クラシック第1冠である皐月賞が終わり、完成度の高い馬は皐月賞を経由してくることが多いことから、過去26年の3着以内馬78頭の内訳を見てみても、皐月賞を使っていた馬が54頭、皐月賞を使っていなかった馬が24頭と皐月賞組が優勢となっている。皐月賞を使っていなかった24頭の更なる内訳を見ると、青葉賞馬が8頭、京都新聞杯(京都4歳特別含む)馬が5頭、NHKマイルC馬が2頭とその半数以上を占め、残りが簡単に分類できないタイプでとなっている(マイネルフロスト、アポロソニック、ウオッカ、マチカネアカツキ、ダンシングカラー、ダイワスペリアー、ダンスインザダーク、フサイチコンコルド、ヤシマソブリン)。以下、昨年のデータを更新し、攻略の道を探りたい。
【若駒卒業歓送データ】(過去26年(一部47年))
☆定義
このデータにおいて、以下の言葉は以下の内容を指すこととする。
「ダービー関連TR重賞」…青葉賞、京都新聞杯、NHKマイルC
「ダービー好相性重賞」…きさらぎ賞(京都開催)、ラジオNIKKEI杯(2014年以降は該当レースなし)
『称号データ』
好走パターンを抽出したデータ。これがないと中心にはできない。
『★皐月楽』…皐月賞を0.4秒差以上で勝利した馬は(4.0.0.0.1.0)。過去47年では(5.2.1.0.1.0)。
92ミホノブルボン 1着 0.4秒差
94ナリタブライアン 1着 0.6秒差
05ディープインパクト1着 0.4秒差
11オルフェーヴル 1着 0.5秒差
12ゴールドシップ 5着 0.4秒差(インを回った)
過去47年に広げると、1977ハードバージ2着、1976トウショウボーイ2着、1975カブラヤオー1着、1973ハイセイコー3着という該当馬が存在する。ゴールドシップは皐月賞時のコーナリングによるイレギュラーな着差になったと考えられ、通常は馬券圏は確実なくらい力が抜けていると見て良いだろう。
『★皐月追』…皐月賞で、2〜4角における最も後ろだった位置取りから9番手以上順位を上げて3着以内に入り、当日1番人気に支持された馬は、皐月賞が激流だった年(1994年、2009年)及び東京開催の年を除き(6.1.2.1.0.1)。
95タヤスツヨシ 1着
98スペシャルウィーク1着
00エアシャカール 2着
01ジャングルポケット1着
02タニノギムレット 1着
05ディープインパクト1着
07フサイチホウオー 7着
10ヴィクトワールピサ3着
12ワールドエース 4着
15ドゥラメンテ 1着
16ディーマジェスティ3着
激流を考慮して2009年を除外とすると、凡走例はフサイチホウオー、ワールドエースの2例のみ。基本的にフルゲートになりやすく小回りの中山で追込んで好走した実績馬は力上位のためダービーで好走しやすいということ。
『★弥生差』…弥生賞で、2,3角の位置取りがともに7番手以降で連対した馬は、当日6番人気以内なら(5.3.2.1.0.1)。
93ウイニングチケット1着 1番人気
93ナリタタイシン 3着 3番人気
95ホッカイルソー 4着 6番人気
96ダンスインザダーク2着 1番人気
98スペシャルウィーク1着 1番人気
99アドマイヤベガ 1着 2番人気
99ナリタトップロード2着 1番人気
00エアシャカール 2着 1番人気
05ディープインパクト1着 1番人気
06アドマイヤムーン 7着 3番人気
08ブラックシェル 3着 6番人気
14ワンアンドオンリー1着 3番人気
16マカヒキ 1着 3番人気
弥生賞が行われる3月初頭の中山は、しばらく使われていなかったAコースが解放され、基本的に内先行有利となりやすい条件。更に、弥生賞はクラシック登竜門としてレベルの高いメンバーが集まりやすく、そこで後方から競馬をして好走した馬は能力上位と考えられる。(ただし、近年はエアレーションの効果等で弥生賞時期の馬場がそれほど内有利にならなくなったので注意。人気を参考にするべき)
『★如月堅』…きさらぎ賞連対馬で、皐月賞を3着以内に好走した馬は(3.3.1.2.0.0)。
96ロイヤルタッチ 4着
98スペシャルウィーク1着
99ナリタトップロード2着
01ダンツフレーム 2着
03ネオユニヴァース 1着
06メイショウサムソン1着
06ドリームパスポート3着
12ワールドエース 4着
16サトノダイヤモンド2着
きさらぎ賞連対馬はダービーとの相性が良く、これに該当しなくとも着差が1秒程度までの馬は要注意。
『★好相楽』…ダービー好相性重賞で、0.6秒差以上の楽勝をした馬は(2.2.1.0.0.1)。
94ナムラコクオー 6着 ラジオたんぱ杯 0.7秒差勝ち
98スペシャルウィーク1着 きさらぎ賞 0.6秒差勝ち
03ザッツザプレンティ3着 ラジオたんぱ杯 0.8秒差勝ち
09ロジユニヴァース 1着 ラジオNIKKEI杯 0.7秒差勝ち
09リーチザクラウン 2着 きさらぎ賞 0.6秒差勝ち
16サトノダイヤモンド2着 きさらぎ賞 0.6秒差勝ち
『★別路昇』…皐月賞を使用せず、前走NHKマイルCまたはダービートライアル重賞を0.2秒差以上で勝利かつ前2走に1800m以上の重賞を0.4秒差以上勝利かつ前3走で2勝(未勝利戦を除く)を満たす馬は(4.3.3.0.0.2)。
94ナムラコクオー 6着
00アグネスフライト 1着
02シンボリクリスエス2着
04キングカメハメハ 1着
04ハイアーゲーム 3着
06アドマイヤメイン 2着
08ディープスカイ 1着
10ペルーサ 6着
12フェノーメノ 2着
12トーセンホマレボシ3着
13キズナ 1着
17アドミラブル 3着
『★皐月詰』…激流ではない中山の皐月賞で、3〜4角における最も後ろだった位置取りから9頭以上かわして6着以内に入った馬(昨年12月以降に1800m以上の重賞3着以内のない馬及び『★皐月楽』、『★皐月追』に該当している馬を除く)は(4.1.7.2.1.3)。
92マヤノペトリュース3着
93ナリタタイシン 3着
96メイショウジェニエ3着、ロイヤルタッチ4着
97メジロブライト 3着
98ボールドエンペラー2着
99テイエムオペラオー3着
05シックスセンス 3着、アドマイヤフジ4着
07アドマイヤオーラ 3着
08レインボーペガサス5着、タケミカヅチ11着
10エイシンフラッシュ1着、ヒルノダムール9着
12グランデッツァ 10着
14ワンアンドオンリー1着
16マカヒキ 1着
17レイデオロ 1着
『★持久血』…持久晩成血統(リアルシャダイ)の産駒は(0.1.1.1.0.3)。
92ライスシャワー 2着
93ガレオン 4着
93ステージチャンプ 9着
93シクレノンシェリフ14着
93ラリーキャップ 16着
98ダイワスペリアー 3着
称号の順列は、1位『★皐月楽』と『★皐月追』、2位『★別路昇』、3位『★弥生差』と『★如月堅』、4位『★好相楽』、5位『★皐月詰』と『★持久血』となる。
「烙印データ」
馬券圏外になる傾向が高いデータ。内枠や称号があれば好走の可能性が残される。
A.「関連無」…前5走で、以下(a〜g)の関連レース内容のいずれかの馬柱を持たない馬は(1.1.3.11.6.214)。
a.皐月賞勝ち及び0.5秒差以内4着以内
b.弥生賞勝ち及び0.2秒差以内3着以内
c.青葉賞勝ち
d.年明け以降の京都マイル以上重賞で連対
e.昨年12月以降のOP以上レースで0.4秒差以上勝ち
f.前5走が全てOP以上レースで、皐月賞を除く全てにおいて勝ち馬から0.4秒差以内で入線
g.1番人気で、2000m超のOP以上を勝利している無敗馬
92ライスシャワー 2着 『★持久血』
98ダイワスペリアー 3着 『★持久血』
13アポロソニック 3着
14マイネルフロスト 3着
17レイデオロ 1着 『★皐月詰』
外厩の効果で休み明けでも力を発揮できる環境が整ってきているため、休養期間が長い馬に対しては留意する必要がある。
B.「基礎格」…前5走において、芝の条件戦で6着以下が1レース以上またはOP以下6着以下と重賞10着以下の合計が2レース以上ある馬は(0.0.0.0.1.58)。
C.「皐月惨」…皐月賞15着以下、または皐月賞3番人気以内馬を除く10着以下馬(ただし、ダービー関連TR重賞勝ち馬を除く)は(0.0.0.4.4.60)。
D.「前大敗」…皐月賞使用馬及び前々走が当年の芝1800m以上の重賞勝ち馬を除き、前走4着以下馬は(0.0.1.1.0.56)。
E.「先失速」…皐月賞使用馬及び以下に該当する馬を除き、前走逃げ先行(道中2角以降5番手以内)の位置取りだった馬は(0.0.0.2.3.49)。
a.ダービー好相性重賞3着以内
b.青葉賞または京都新聞杯勝ち
c.2000m超のレースを2回以上使用し、連対率100%
d.BPR(ベストパフォーマンスレース)が差し又は追込
F.「記念挑」…前走が芝1400m戦、またはダート戦の馬は(0.0.0.0.1.11)。
G.「少勝利」…1勝馬は、前5走が全てOP以上戦かつ0.5秒差以内だった馬を除き(0.0.0.0.1.23)。
I.「毎日削」…毎日杯を使用した馬は、0.2秒差以上の勝ち馬及び3,4角から8頭以上かわしている馬を除き(0.1.0.0.5.37)。
98ボールドエンペラー2着 『★皐月詰』
J.「如月削」…きさらぎ賞を使い、6着以下かつ0.5秒差以上負けた馬は(0.0.0.1.0.10)。
K.「弥生削」…弥生賞を連対した馬のうち、弥生賞の道中、2角の位置取りが4番手以内だった馬は(1.0.0.4.2.8)。
09ロジユニヴァース 1着 『★好相楽』
M.「哩杯削」…前走がNHKマイルCの馬は、1800m以上の重賞勝ちまたは2000mの重賞連対経験がある馬を除き(0.0.0.0.1.44)。
N.「別路落」…前走が皐月賞ではないOP又は重賞で、以下(a〜e)のいずれかを満たさない馬は(0.1.4.7.8.167)。
a.前走の青葉賞又は京都新聞杯を0.4秒差以上で勝利
b.前2走(皐月賞を含む場合は前3走)で、皐月賞又は皐月賞トライアルレースで0.5秒差入線あり
c.1800m以上のOP以上のレースで2勝又は4連対あり
d.前2走が連勝中かつ芝レースにおける全成績が勝率6割以上又は複勝率8割以上
e.連対率10割のG1馬
92ライスシャワー 2着 『★持久血』
93ヤシマソブリン 3着
98ダイワスペリアー 3着 『★持久血』
09アントニオバローズ3着
13アポロソニック 3着
2016年更新で「青葉削」と「京新削」を統合して作成。
O.「決手欠」…下記a,bのいずれかに該当する馬及びcに該当する馬(ただし、BPR又はSPRが芝1800m以上の今年の重賞で3角以降2番手以内の位置取りだった馬及び無敗馬を除く)は、(0.4.3.8.12.190)
a.昨年12月以降、1800m以上の重賞において、上がり2位以内かつ2着以内又は上がり1位かつ3着実績、のいずれもない
b.昨年12月以降、1800m以上のOP又は1600mの重賞において、上がり1位かつ1着実績がない
c.前2走の上がり3Fがともに3位以下(ただし、皐月賞と弥生賞又はNHKマイルCの場合を除く)
※なお、ダートの上がりは判定にしない
92ライスシャワー 2着 『★持久血』
95エアダブリン 2着
98ボールドエンペラー2着 『★皐月詰』
98ダイワスペリアー 3着 『★持久血』
02マチカネアカツキ 3着
09アントニオバローズ3着
15サトノラーゼン 2着
●過去実演
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