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アナログ上級者への塔
いきなりアナログといっても、何のことだかわからないと思います。私がこれから説明していくアナログとは、簡単に言えば予想のデータ化(自動算出化)できなかった部分、やむなくはみ出てしまった部分であったり、意図的に遊びの部分としている予想要素のことです。
私は以前まで、できる限りデータアートだけで買い目を出せる予想を追求していました。同じ実績データ派の方や及びコンピュータ予想派の方などは、この姿勢に共感していただけると思いますし、実際同じ方向性を持って予想システムを構築されていると思います。この予想システムが完成すれば、例えば実績データであれば、馬柱を見るだけで買える馬、消える馬が判断でき、購入すべき馬券も自動的に決まるのです。引きの弱さや勝負勘などとは関係なく勝てる! と、ギャンブルを投資に変えていく考え方です。
でも、私は行き詰まりました。これは例えば2003年の宝塚記念の予想と結果を見ていただきたいのですが、データで出た答え通りの能力を馬が持っていても、他の様々な要素(実績データの場合、弱点として元より把握していた「展開」「馬場」「枠」など)によって結果が変わってくるのです。私以上にうまくシステムを作っている方にとっても、システム外部の要因によって思う結果が得られないことが多くあると思いますし、限界を感じられることもあるはずです。何しろ、予想のブレを作る代表である展開や馬場差、コーナーワークといったものによる補正をシステムに盛り込むことは非常に骨の折れる作業なのです。例えば、4角でどれくらい外を走っているかについて、「内から1頭分外なら時計から算出された能力にプラス0.1」という補正を行うとしても、内が荒れてくると同じ基準ではうまくいかなくなります。最内を通った馬のほうを逆に評価を高めなければならないほど、ひどい差(バイアス)が生まれることさえあります。また、ハイペースの場合は前に行く馬が潰れるので、外を通った差し馬がきれいに差しきるシーンが見られます。これは内を通って失速したとしても逃げ先行馬は評価しなければなりません。しかしながら、こういった場合にどれくらいのラップからハイペースと判断するのか、どれくらい補正をかけるべきなのか、馬場差はどれくらいあるのだろうか、明快なラインを引くのは難しいのです。なんとかラインを引いたとしても、今度はそれらを算出する労力(打ち込み作業)に負担がかかり、効率が悪くなってしまう。
上記のように、データ・システムによる馬券戦術は切り捨てられない弱点を持っています。大したことないと思われる方は、余程素晴らしいシステムを構築されているか、競馬の深さをまだ知らないでいるかのどちらかです。レースそれぞれにおいて発生するバイアス(様々な要因による有利不利)は結果に大きな影響を与えます。「競馬は生き物」なのです! レースの結果は馬柱が出た時点で決まっている、とレースを無機質的に捉えてデータ予想を突き詰めた私だからこそ、このことは強く訴えさせていただきます(データも突き詰めたからこそ、このバイアスの重さがわかりました)。
アナログの良さは、新聞情報と馬柱に逆らうことができることです。つまり、前2走2着だから1番人気になっている馬が本当に強いのかどうなのか、自分で判断でき、割の良い馬券を取れることです。私見競馬で軽く触れた、競馬を荒れさせる罠について、これから紹介させていただきます。
1F 〜能力という軸〜
アナログの基本は馬の能力がわかるかです。Aという馬と、Bという馬がいて、どちらが強いかを判断できるかどうか。更に、Cという馬を追加して、順列をつけられるか。あなたの中で、順列をつける軸を持つよう意識してみましょう。例えば、AはZという未勝利戦で8着、Yという未勝利戦で2着していたとします。BはZ未勝利戦で4着でした。CはY未勝利戦で7着でした。だからB>A>Cだと、まずは言ってみてください。厳密に補正をかければそうはならないことは十分あり得ますが、まずは順列フィールドをあなたの中に持つことが重要です。例えば今回、X未勝利戦でA〜C3頭が対決した結果、A>B>Cとなったとします。そうしたら、レースをしっかり回顧してみて、それぞれにどんな有利不利があったか(この先で紹介します)を検証し、特段の差がなければ、最初の順列は間違っていたことになります。前回のZ未勝利戦に罠があったのかもしれません。あるいは、Aが成長したからかもしれませんが。
予想→回顧→順列の見直し、の繰り返しが、より正確な軸を作っていきます。軸がなければ、毎回最初の「B>A>Cだと、まずは言ってみる」に戻ってしまい、効率的でもなければ正確さも欠いてしまいます。多くの人は軸を作っていないがために、こういう予想をしがちなのです。例えば、あなたが競馬場に行って、自分の守備範囲外のレースを遊びで買おうとしたら、何を参考にするでしょうか? おそらく、同じレースで対決している馬がいたら、そこで先着しているほうをより評価するでしょう。また、2着や3着などの好走歴がある馬のほうが選びやすいでしょう。競馬新聞の印も、◎や○が集まった馬のほうが信頼できると感じます。多くの人がこのような見方で予想をしており、この種の馬は人気しやすくなります。しかし、馬の強さは着順の順だけでは測れません。新聞の予想で◎がたくさんついていても、記者やTMは混戦だな〜と思いつつ、しょうがなく◎を打った程度の馬かもしれません。
自分の眼によるフィールドを持ち、能力をしっかり把握することを意識しましょう。階上の話は、ほとんどこのフロアの「能力の軸」の調整に戻ってきます。「継続は力なり」「時は金なり」と思い、頑張りましょう。
2F 〜標準時計を知る〜
能力の軸では、同じ馬(A)が出走した2レースで、ABCの力関係を計りましたが、Aの役割となる馬がいない場合もあります。いろんな馬を媒介して比較するのも、あまり多いとわかりにくいです。その場合、BとCの力関係はわからないのでしょうか。
次に注目されるのが馬の走破時計です。例えば、BとCの2頭が1200mを走ったとして、Bは1:09.5(1分9秒5)、Cは1:10.5(1分10秒5)のタイムで走っていたとしたら、2頭のタイム差からBのほうが速い(強い)馬だとわかります。人間の陸上競技を思い浮かべてみてください。大体、ある競技者はそれなりに安定したタイムで同じ距離を走りますよね。これが安定しないと、金メダル確実と言われるようなアスリートが予選落ちなんてことになります(ほとんどこんなケースはありませんよね)。
だから、その距離の持ち時計を見れば、それぞれの馬の強さはわかるはずです。そして、このタイムによって能力を把握する方法は多くの馬の能力を短時間に判定するのに非常に有効な方法です。しかし、ここに競馬のひとつの罠があります。
競馬では、持ち時計が1:09.5のBと1:10.5のCが対決して、Cのほうが勝ってしまうことが結構あります。なぜかというと、同じ距離でも、競馬場や開催週、雨などの馬場の悪化、風、道中の不利など、いろいろな要素によって時計の出方が変わってしまうのです。最近では、高速馬場と言われるほど馬場が良くなり(硬くなり)、レコードがよく更新されています。2004年の夏競馬でも、新潟はもちろん、福島、小倉の時計はとても速かった一方、札幌ではあまり速い時計が出にくい馬場になっています。上記の状態であれば、新潟と札幌の同じ距離での同じ時計は、札幌で出した時計のほうが価値があるということになります。様々な要因が引き起こす差(バイアス)に注意して、表面上出てきた時計の本当の価値を計測しましょう。
標準時計は、ある馬(未勝利勝ちあがりレベルとか決めておくとよい)がその日の馬場で障害なく走りきった時計をイメージするといいです。未勝利勝ちあがりレベルとするなら、その開催の同じ条件の未勝利戦の勝ち時計を平均すれば、その大体の標準時計が出てくることになります。どれくらいが標準かを見極めるのは大変ですが、自分でまずこれくらいと決めておけば、後で修正しながら正確なものになっていきます。
しかし、最初は大変なのでグリーンチャンネルでやっているレース回顧のコーナーを参考にするのも手だと思います。私も活用させていただいています(それでも、自分の軸のほうが信頼できるようになってきたので、TVの数値を自分で修正することもよくあります)。
つづきは無料レポートにて公開していくことといたしました。
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